サカマキヤナギ(Salix x sakamakiensis Yoshiyama :坂巻柳)の話

坂巻温泉には当地の地名が付いたヤナギがあります。
これは柳研究者の吉山寛氏により旅館の近くで発見され、登録された新しい交雑種です。

以下は 植物研究雑誌 第86巻 第2号 2011年4月 72ページより原文のまま引用

吉山 寛:長野県で見出されたヤナギの1新雑種
 オノエヤナギとコマイワヤナギとの新雑種を記載した。
産地は上高地の入口に位置する長野県松本市の坂巻温泉である。
採取時は若苗であったが、八王子市西浅川町で挿木して栽培すると高さ2mほどの中低木となった。
葉は一見してオノエヤナギの形質を表し、裸枝の隆起条、花序の形、樹形などはコマイワヤナギに由来すると思われる。
この地域はコマイワヤナギを多産することで知られている。
和名は原産地名からサカマキヤナギとしたい。
再訪したが原株は道路工事で失われており、生存株は当園の株のみになった。(吉山雑種柳観察園) ・・・ここまで

H30年3月13日 H29年9月1日
H30年4月13日

この株から挿木されたものを、吉山氏から譲り受けて再び坂巻温泉の地に植え替えたものが
上記の画像のサカマキヤナギです。当館でも挿木による増殖を試みています。
これから花が咲き、若葉が成長する様子を順次お知らせしていくつもりです。